左京区の学童保育関係者から京都市長候補への公開質問状に対する回答書
2008年1月15日付にて質問のあった掲題につき下記回答いたしましたので、みなさまにお知らせします。
1.質問に回答する際のわたしの基本的姿勢
わたしは、京都市の財政が大変厳しい状況にあり、学童保育の問題を一挙に解消できる状況にはないということを理解したうえで、以下の考え方の実現に向けて努力したいと思います。
(1)必要とする子どもはすべて利用できる体制に施設を増やし整備すべきであること
(2)施設の広さや職員の数といった質的な充実を図りたいこと
(3)働く職員の方々の処遇改善に努力したいこと
(4)子どもたちの生活の場として、より一層の充実を図りたいこと
2.質問Q1-(1)に対する回答
学童保育の現状は、「十分ではない」と思います。
3.質問Q1-(2)に対する回答
入所希望者・待機者の多いところから優先的に設備を、新築ないしは増改築すべきだと思います。その際、小学校や他の公共施設への併設を積極的に考えたいと思います。
4.質問Q2に対する回答
京都市の小・中学校の「教育レベルが低い」と多くの方から聞かされています。教育レベルが低いために、将来、レベルの高い高校や大学に進学するには、私立中学校に進学しなければ非常に困難になるとの認識から、小学校4年生から塾通いが当たり前となっています。しかし、経済的に厳しい家庭は、この塾通いが容易ではありません。
塾に金銭的に余裕がなく十分通わせることができない家庭の子どもと、通える子どもとの間で、学力や意識に大きな格差ができています。もしこの「学び教室」が学校での遅れた勉強をカバーすることが出来き、また勉学意識の低下を防ぐことができるのであれば大変喜ばしいと思っています。
ただし、「学び教室」と「学童保育」は根本的にその設立に際しての概念が異なっています。それゆえ別々の位置づけと運用に賛成です。これは、「学び教室」は「塾の代替」ではないと思いますが、少なくとも経済的に余裕のない家庭の小学生に勉学面で支援することは可能となると思うからです。
なお、「学び教室」を学童保育の延長として利用するときは、当人である小学生自身と父母がその違いを了解した上で「学び教室」のルールを守っていただく必要があると思います。それは勉強に励もうとする他の小学生に迷惑にならないようにしたいからです。この点の確認が必要です
5.質問Q3-(1)に対する回答
*施設づくり*:
私は、子どもは、これからの京都市の宝だと思っています。本来小学校そのものが、もっと学童保育的機能を保持すればよいのではないかと思っていますが、現実の小学校はそのようにはなっていません。それだけに施設の充実は可能なかぎり実施してゆきたいと思いますが、他の優先すべき事項もあり、わたしの思いがそのまま叶わないこともあると思います。しかし、基本姿勢の所でも回答しましたが、全力で取り組みたいと思います。
*指定管理者*:
他の「公の施設」と同様ですが、公が主導的に小学校等で開設するものに対しては指定管理者制度を導入したいと思います。また逆に指定管理者を目指す団体は、主体的な提案が必要と思います。なお、可能な限り、その指定管理者には専門性と誠実さを保持していただきたいと思います。行政のOBのための施設建設ではありませんし、指定管理者制度でもありません。
*職員の処遇・利用料・地域での位置づけ*:
指定管理者が判断することとなりますが、職員の処遇改善には十分配慮していかねばならないと思っています。また、利用料は経済的に厳しい家庭の小学生については積極的な減免処置を実施し、行政として救済策を講じたいと思います。
6.質問Q3-(2)に対する回答
財源は、京都市の行政改革を実施すれば、十分とはいえないものの相当の財源を捻出することは可能であると思います。十分な改革を実施しないまま、必要な事業を見送ったり、中止するようなことがあってはならないと思います。
以上
岡田 登史彦
TrackBack URI : http://www.okadatoshihiko.net/think/20080120022751.html/trackback
Comments (0)