2009年3月15日

世界経済「後退の始まり」としての認識の必要性

Filed under: 岡田登史彦の思い・感想 — admin @ 11:04 AM

昨年9月のリーマンの破綻は、レバレッジを利かした米投資銀行のビジネスモデルの崩壊を招き、世界的な金融不安が発生した。その処理として、米英を初めとする各国は、巨額の資金をつぎ込み、各国金融機関を救済せざるを得なくなり、この事態は、各国株式市場の株価急落をもたらした。ここに「100年に1度」といわれる未曾有の世界的景気後退が始まったのである。

2009年3月14日ロンドンでは、このような状況を克服すべく、G20の財務省・中央銀行総裁会議が開催された。「国際金融不安解消」と「世界経済に対する景気対策」が論議され「成長が回復するまであらゆる必要な行動をとる用意がある」と共同声明が採択された。

しかし、この二つの問題を解決するには、なお巨額の政府資金が必要となるが、資金調達の可能性を危惧する意向が反映されている結果か、具体的な数値目標が提示されなかった。

資金調達ができなくなることは、そのまま問題解決の遅れとなり、景気回復に時間がかかることを意味する。このような懸念の存在は、国民・企業にとっては「100年に1度」といわれる由縁の世界経済の「後退の始まり」がスタートしたことであると解釈し、対応しておくことが楽観的にとらえるより安全ではないか。

そして、国民や企業は、急激な景気後退の嵐を避けるため、今後1~2年程度の期間に必要とする資金を、今すぐにでも調達・確保しておくことが、肝要であろう。政府からの支援を待つことも必要であるが、まずは自助努力による生き残り策を、金融面で考える必要がある時と思わる。

以上


コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

この投稿へのコメントの RSS フィード TrackBack URI

コメントをどうぞ